あおそら

自分のための走り書きらくがき帳 

いけがやさん

直感的に決定すると、自己中心的な行動よりも、他人を利する行動が増えるわけです。この結果から、人は生まれながらにして「善」であることがうかがえます。一方、「悪」は、直感的な結論を一歩踏み留まって「考える」ことから生まれるとも言えます。   ~「脳はなにげに不公平」p.183より

動物たちは「他者に心がある」ことを前提として状況判断をしています。進化的にみても、おそらく自分自身に明確な「心」が生まれる以前から、そういう生活スタイルだったはずです。つまり進化初期には、他者の存在のほうが、自分の存在よりも先行していたわけです。

ここで大転換が起こります。他者に向けていた「読心」の照準を、今度は自分に向けてみるのです。他者に心があるということは、もしかして自分にも心があるのかー。すると自己の存在を自覚します。これこそが私たちが普段「心」と呼んでいるものです。こうした自省力はヒトで特に顕著ですが、源流を辿れば、他者の心を読む能力です。

ここに羞恥心が芽生える要素があります。なぜなら、そもそも動物は他者に心を読まれることを嫌うからです。   ~「脳はなにげに不公平」p.201より 

脳はなにげに不公平 パテカトルの万脳薬

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むらかみさん

「偏愛」とは、それに出会ってしまったら人生が変わるというくらいに強烈で、理性を吹き飛ばしてしまう危険な情動が継続されることをいう。偏愛は、決して得られないものを希求するので、必ず飢餓感を生む。偏愛が派生させる飢えを経て、人は現状への、耐え難い不快感と不満と不安を抱くようになり、やがて「別の人生」をイメージするようになる。別の人生をイメージすることは、人生を、苛酷に、かつスリリングに、努力しだいでは充実したものに変化させる。

「偏愛を経て別の人生をイメージする」以外、刺激的な日常も、充実感や達成感も手に入らない。別の人生をイメージできない人は、今の人生を受け入れるしかなく、それは閉鎖的で、本質的につらいものとなる。精神の収縮、すなわち、「抑うつ」がその人を覆うようになる。 

星に願いを、いつでも夢を

星に願いを、いつでも夢を

 

 

 

 

へっせさん

病気も孤独も貧困も虐待もまるで軽いふわふわした雲にしかすぎないように

その上を飛び去って行くすばらしい人間の魂を

はっきりと深くのぞき込むことを私はゆるされたのだ

 

メルヒェン (新潮文庫)

メルヒェン (新潮文庫)

 

 

おちゃめな老後

おちゃめな老後