あおそら

自分のための走り書きらくがき帳 

いまわのさん

「本当のことを言うのに大きな声で言う必要はない」ということをね、中学校の頃かな、教わったんだよ先生に。だから大声で宣伝されているようなことは疑っちゃうんだよね、僕は。

「自分がはっきりとイメージできるものは、いつか必ず実現する」という大昔の偉人の言葉は、どうもウソではなかったらしい。きみも夢があるなら、一度きちんとマンガにでも書いておくといいだろう。ただしはっきりと、だ。

みんな、ぼくたちはちがう所で言い合ってるのさ。似ているだけで理解できてるんじゃないのに。それでも、はなはだしくちがった考えは世間からはずされる。てきとうな理由で満足して。

そして一つのわくの中にはめこむ。きみらの理解できるわくの中に。その他にちがう所があるなんてとても信じようともせず、信じられずに。

すべての人が孤独なら孤独なんてないのと同じさ。すべての人に夕暮れが来てあたりがまっ暗な夜になる。

きみが誰よりもおびえても寂しくてふるえが止まらなくても世界的には事件ではない。きみがそれよりもっと不幸でも誰かが経験したことさ。耐えられなくても仕方ないさ。あたり前だろ?

そういうふうに説明しちゃって、しかもこう書かれちゃうともうどんどん小さくなってさ、これはこういうもんだっていうふうになっちゃってさ、それを見て人はそうおもってしまうっていうのは、マニュアル化の時代というかさ規格化されたものを与えられている人たちに悪いなと思ってかわいそうだなと思って。そういうシステムに加担しているような、自分がなんか情けないっていうかね。

by 忌野清志郎 

使ってはいけない言葉

使ってはいけない言葉