あおそら

自分のための走り書きらくがき帳 

ようろうさん

人間の感覚も違いを捉えているんですよ。匂いがするというのは、みなさん、「匂いがしてきた」っていうふうに思っていますが、じつはあれ、「今までその匂いがなかった」っていうことを意味するんですね。「匂いがする」というのは、「今までと違う」というサインです。明るさでも、何でもそうですけど、動いたらすぐに気がつきます。変化を捉えてるんですよね。逆に意識というのは、変化ではなくて「同一性」を捉えます。人間にとっては同一性のほうがはるかに重要だから。それで言葉を使えるようになったんですね。 ~p.40

 

自分でやることのある人っていうのは、反応していないんですよ。そうでしょう。自分にやることがないと、他人のやってることに反応するんですよ。 ~p.86

 

自分が変わったってことに関して、非常にうれしいんですよ。 ~p.100

 

じつは無意識のほうが確実なんですよ。我々は、ほとんど無意識に世界を見て、感じてるわけです。そこに非常に多くのフィルターがかかって、意識に上がってくるものはほんのわずかでしょう?「コーヒーを飲もうかな」と、コーヒーを見ると、コーヒーに意識的に気がつく。「まだ残ってるな」とか。そうすると、そのときは脳全体がぱあっと動いてるんです。「意識的な気づき」っていうんですね。漠然とものを見てるときとは脳の働きがまったく違うんです。それを一種の、「相転移」として説明する科学者もいますよ。水の温度を上げていくと、ある瞬間、気体に変わるでしょう?温度を下げていくと、ある瞬間に氷に変わる。同じように、無意識の脳活動が、ある瞬間にぽーんと「意識」になる。意識に上がってくるんです。 ~p.118

 

意識は「増幅装置」なんですよ。だから、目にはちゃんと全部入ってるんだけど、意識があると一部を増幅するんです。そうすると、他が消えてしまいます。意識的になると、想像的ではなくなるでしょう。で、意識的になると、意識の中で想像するようになって、数学や哲学になるんですね。そうじゃなくて、知覚からだと、それは子どものほうが絶対、優れているんですよ。 ~p.192

 

老人の壁

老人の壁