あおそら

自分のための走り書きらくがき帳 

まほう考 その2

健康な子供が産まれてくる魔法のような不思議。真の愛の魔法のような不思議。意志の力で朝にベッドから起き出すのも、魔法のように不思議なことだ。ざんねんながら、こういうのが魔法のように思えるのは、こうした力を持っていない人だけらしい。意志の力で自分の体を律することができる人たちは、あまりにしばしば、それが当然のことだと思ってしまう。額の汗をぬぐうような単純なものごとの不思議やすばらしさが目に入らなくなる。目を開けて海や氷河の崇高さを愛でたり、夕日の美しさを眺めたり、野生の花の草原をあがめたりする行為を、あたりまえのものだと思ってしまう。でもこれは真に魔法のようなできごとであり、考えてみれば、宇宙をいくつも満たすだけの不思議さをたたえている。でもどうやら多くの人にとって、こういう本物の魔法だけでは不足のようだ。

Skeptic's Dictionary: 魔術(Magick) より引用